2022.11.10ニュース

飛行許可申請ハウツー vol.5 (黒部峡谷)

こんにちは、北陸ドローンスクールです。
飛行許可申請ハウツーの第5回目は、黒部峡谷です。トロッコ列車が走る峡谷は、秘境の雰囲気があり、秋は紅葉なども相まって良い撮影スポットになっています。そんな黒部峡谷でドローン空撮がしたい、という方は是非この記事を参考にしてみてください。

黒部川の管理者

黒部峡谷での撮影を考えたとき、許可を取るべき先は黒部川の管理者になります。そして、その黒部川の管理者ですが、実は場所によって異なり、3つの管理者がそれぞれの場所を管理しています。管理場所と管理者は以下の通りです。

・宇奈月ダムより上流
 →富山県土木部新川土木センター入善土木事務所

・宇奈月ダム

 →国土交通省北陸地方整備局 黒部河川事務所 ダム課(宇奈月ダム管理所)

・宇奈月ダムより下流

 →国土交通省北陸地方整備局 黒部河川事務所黒部川出張所

ご覧のように、宇奈月ダムを境に上流と下流で管理者が分かれており、その境目になっている宇奈月ダムにも当然管理者がいるため、それで3つになっています。図で示すと、以下のようになります。

それぞれで許可申請に必要になってくるものが違うので、順に説明していきます。

宇奈月ダムより上流の場合

許可される目的と料金
業務・趣味ともに可能で、使用料などは特にありません。

申請先
管理者の問い合わせ先はコチラになりますが、2022年11月時点では、申請などは設けてないとのことでした。

留意点
黒部峡谷は、温泉施設が多い土地です。露天風呂が映らない配慮はもちろんのこと、飛ばす際は飛行エリア周辺の温泉施設に話を通しておきましょう。
また、宇奈月ダムより上流となると、車では行けません。飛ばす場所もトロッコ列車のそばになります。トロッコ列車を運営している会社にも話を通しておきましょう。

※あくまで2022年11月時点の情報なので、実際に飛行させる際は改めて確認しましょう。

宇奈月ダムの場合

許可される目的と料金
明確にダメと言われた訳ではないですが、許可取りの際に業務か否かの確認がありましたので、趣味での飛行は断られる可能性があります。
使用料などは特にかかりません。

申請先
コチラに掲載されています。リンク先は部署のリストが並んでいますが「ダム課」というのが、宇奈月ダムの管理部署です。

必要な書類
黒部河川事務所ダム課に提出する書類は以下の通りです。

① 撮影許可申請書
② 飛行範囲図

順に説明していきます。

①撮影許可申請書
こちらの書類は公開されていないので、黒部河川事務所ダム課に連絡して、担当の方から送ってもらう形となります。弊スクールで作成したものを参考までに貼ります。

②飛行範囲図
こちらについては、特に書式はありません。飛行させる範囲などが可視化されていれば問題ないかと思います。例として、弊スクールで提出したものを貼るので、ご参考ください。

留意点
上記の範囲で飛ばす時は、黒部川河川事務所の許可をもらって終わりではありません。離発着場所のすぐ後ろに「とちの湯」という施設があります。これは温泉で露天風呂もあります。
とちの湯の管理者にも話を通しておきましょう。特に書類のやり取りはありません。前もって飛行日時と露天風呂が映り込まないように配慮して飛行させる旨を伝えれば大丈夫です。

※あくまで2022年11月時点の情報なので、実際に飛行させる際は改めて確認しましょう。

宇奈月ダムより下流の場合

許可される目的と料金
業務・趣味ともに可能で、使用料などは特にありません。

申請先
管理者への問い合わせ先はコチラです。先ほどのものと変わりませんが、担当部署は「黒部川事務所」の方になります。

必要な書類
河川敷等の一時使用届出書の提出が必要になります。様式は公開されているのでコチラからWord形式でダウンロードできます。弊スクールでは提出していないので、未記入状態のものを貼ります。

ドローン飛行だけに使われるものではないので、そこまで詳しい内容はありません。2の場所に左岸か右岸か〇を付けるところがありますが、ドローンの飛行であれば、両方に〇をつけておいた方がいいでしょう。

また、特に記載はないですが、別紙で飛行範囲図をつけてあげた方がスムーズにいくかと思います。

※あくまで2022年11月時点の情報なので、実際に飛行させる際は改めて確認しましょう。

申請の流れ

このような流れになります。まずは管理者に許可を取り、周辺施設の有無を確認し、影響のある施設があれば説明しに行く。管理者は官公庁なので、基本的に終了報告は要りません。ただ、温泉などの施設には終わった旨は伝えておきましょう。黒部峡谷には宇奈月温泉がありますので、かなり奥まで行っても、温泉施設があったりします。そこは十分に配慮し、知らせずに飛ばすということのないようにしましょう。